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2018年10月の活動

10月30日 楠目小学生・環境教育

みやびの丘にて、増えすぎたシカがもたらす森林の被害を観察し、ササが枯死した結果引き起こされた対岸の山の急傾斜地の崩壊の状況を観察した。物部川の源流域の崩壊・土砂流出は、森・川・海のつながりの中で、中・下流に影響を及ぼすことも学習し、最後に、植樹して森の再生を願った。

写真は、30年前に撮ったみやびの丘下部の原風景。背丈を超えるササが藪状になって、林内に入ることはできなかった。
最初に、「原風景」の写真を見せ、本来の自然はこんなだったよと、しっかり頭に入れた。
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今は、ウラジロモミ等は樹皮食いで枯れ、ササも衰退して「原風景」の面影はない。

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枯れ木の空洞に、2mもの長さのササが生き残っている。 2008年に枯れ、今年倒れたウラジロモミ等。

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山頂へ向かう。 山頂(元はササ藪)では、対岸の山々の様子を過去から記録した「冊子」を教科書に変化を学ぶ。
特に、ササや樹木が枯れた急傾斜の山(白髪避難小屋南面)では、2012,3年から崩れが深刻化した(下の写真)。
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最後に、森の再生を目指して、現地の種から育てたブナ、ミズナラ、トチノキの苗を植えた。
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10月15日 香長小学生・環境教育

さおりが原にて、食害前と現在、そして防鹿柵設置内を見学し、3年前から実施している単木保護ネット内稚樹の成長を観察し、計測を行った。

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右側の防鹿柵は2008年に設置した、スズタケ保護柵。このあたりの林床の原風景。今は、シカ食害のため、柵内以外は壊滅。

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ネットで囲った稚樹は、着実に成長している。    成長状況を測る。




10月13日 秋季ボランティア活動(カンカケ谷・防鹿柵設置活動)
 
 参加者91名のもとに、三嶺の森・カンカケ谷の貴重な植生を再生すべく、防鹿柵設置活動を実施しました(当初、10月6日の予定でしたが、雨のため13日に延期となり、参加者も130名から減りましたが、予定どうり実施することができました。)

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林床植生が失われた自然林内を、目的地に向かうボランティアたち。

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カンカケ谷の渓流に沿って、防鹿柵を設置するボランティア(高知農業高校生たち)

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倒木(シカ食害や寿命等による)があっても、稚樹はすべて食べられるために森の循環系の再生ができない。防鹿柵内では、稚樹や植物が茂り、数年で見違える景色となる。

20181013kannkake6-1.jpg  高知新聞に掲載された記事




10月13日 香美市こどもエコクラブ活動・協力

上記「秋季ボランティア活動」(6日予定)が雨天のため13日に延期になったため、活動がダブった。こどもエコクラブは参加者18名なので、日ごろ環境教育協力を行っている依光・西村が対応。最初登山口駐車場近くの林内の様子を見、その後山頂にて、3年前に植えたブナの手入れと、今年設置した防鹿柵内にトチノキとミズナラの苗を植え、森の再生活動を行った。

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ササやリョウブの緑(子どもたちの背後)の、小さな山の「苗畑」で、苗木等の解説。

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白髪山を眼前に、みやびの丘の山頂北側の昨年設置した防鹿柵を望む。

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防鹿柵内には、多様な植物が溢れかえっている。一昨年に植えたブナの苗木も埋もれて、負けそう。子どもたちは、苦労しながら初期成長が遅いブナを救出する。

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左側の苗はトチノキ  右側の苗はミズナラ 大きく育って森になることをねがいながら植樹




10月8日 写真パネル展(県主催「狩猟フォーラム」&おおとよユトリストパーク「ジビエグルメフェスタ」)の開催

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写真は高知工科大学講堂ロビーでの写真パネル

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10月1日 定例会

議題
1.秋季行事について   (カンカケ谷) 
2.倒木等による防鹿柵の被害状況調査&メンテナンスについて (さおりが原、白髪分岐下等)
3.1月シンポの方向性について とくに「基調講演」の内容と講演者
4.その他
(1)環境教育等協力予定
  10月13日 香美市こどもエコクラブ:みやびの丘
10月15日 香長小 :さおりが原
10月30日 楠目小 :みやびの丘
11月20日 大栃中学校:みやびの丘
(2)イベント協力予定
 10月8日 ジビエグルメフェスタ(おおとよユトリストパーク) 写真パネル展
10月8日 県・狩猟フォーラム(高知工科大学) 写真パネル展
10月14日 森里川海シンポジウム in 物部川流域 パネリスト報告
(3)管理捕獲について



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2018年9月の活動

9月25日 防鹿柵への倒木:処理メンテナンス
さおりが原のスズタケ保護柵にやや大きめの倒木があり、チェーンソーが使えるメンバーを中心に、倒木処理を行った。
 
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チェーンソーで切っている木がネットにかかり、シカフリーとなっている。
ここは2008年に柵を設置し、バックに見えるササは唯一保護されているスズタケである。

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損傷した杭を取り換え、打ち直しているところだ。

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他の杭も補修して、メンテナンス作業を終える。




9月7日 定例会を開催しました

議題
1.秋季行事について
2.既設防鹿柵のメンテナンスについて
3.こどもエコクラブ活動協力について
4.モニタリングについて
5.土佐山田ショッピングセンター(スーパーバリュー)の寄附付き商品販売と28万円の寄付
6.捕獲について(香美市及び森林管理局・署)
7.写真展・出展依頼(「狩猟フォーラム」及び「ジビエグルメフェスタ」)

モニタリング

8月9日 さおりが原にてモニタリング調査

みんなの会・高知大グループは、さおりが原の防鹿柵内外に、永久方形区を設け、モニタリングを継続しています。奥の茂っているのは希少種のマネキグサ(2008年設置柵内)。手前は2016年春設置の柵内。次第に植生が茂る。

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土佐山田ショッピングセンターの「スーパーマーケット・バリュー」での寄附付き商品販売の高知新聞の記事です。

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2018年7月の活動

7月13日~8月31日土佐山田ショッピングセンターにて、写真パネル展実施中

 スーパー・バリューノア店及びかがみの店にて、シカ食害で痛む三嶺の森の写真展を実施しています。
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定例会 2018年7月23日

1.春季行事について
2. 秋季行事予定について
3.観察・メンテナンスについて (当面カンカケ谷~全治:9月定例会で検討)
4.その他
 (1)「管理捕獲」について 局・署、香美市
 (2)こどもエコクラブの「植樹ブナ」の手入れについて
  8月12日 みやびの丘山頂の植樹ブナの保育作業(苗周りのイワヒメワラビ等の除去)
 (3)モニタリングについて
 (4)土佐山田ショッピングセンターでの寄附付き商品販売と写真展について
7月15日~8月30日 バリューノア店、かがみの店にて開催
(5)本年度から「車代」について、流域内からは従来どうり3,000円、高知市等流域外からは4,000  円でどうでしょうか(ガソリン代の)値上がりと財政面で余裕ができたため。






7月28日 防鹿柵メンテナンス

カンカケ谷の防鹿柵に、倒木があり、それをチェーンソーを使って除去、そして柵ネットの補修をメンバー7名で実施。 

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kannkaqke2.jpg  秋行事の予定地も準備しています。

6月の活動

6月は写真パネルの再編
6月は雨期のため、現地活動はありません。
目下、環境教育用の写真の整理、写真パネル展用の写真の更新を行っています。
 

2018年5月の活動

5月20日 ボランティア活動
 143名のボランティアの参加のもと、みやびの丘にて3か所(延長計614m)の大型の防鹿柵を設置しました。
アクセスが容易(駐車場から15分~20分)なこと、そして参加者が多いことから、作業は午前中に終えることができることから、午後はみやびの丘及び周辺の山々のシカ食害の変遷に関する話、そして香美市が担当する白髪山での管理捕獲の話をしました。

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     みやびの丘山頂にて説明を聞く、参加者たち(一部)。

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      防鹿柵設置活動   左:山腹北東斜面    右:山腹西斜面・歩道下

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山頂東斜面での活動。  既設(2013年設置)の防鹿柵内はリョウブを中心とする灌木の緑がひしめき合っている。既設柵の下に新たな柵を設置中。

解説(午後)
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みやびの丘東面は2008年にシカ食害によってササが枯死。その後、裸地化して一部表土流出、裸地化部分のブナの根も枯死し、樹が衰退しないように対策を講じ、また、2013年に防鹿柵を設置して以降の変化について、記録写真にもとづいて解説した。





5月14日 ボランティア活動の準備

5月20日の「防鹿柵設置・ボランティア活動」の準備を行う。柵設置の邪魔になるササを刈り、倒木などを取り除いた。

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5月13日こどもエコクラブの観察と植樹
 みやびの丘の下部樹林内にて、食害状況(ササ、樹木、糞)などを調べる。ここは元は大人の背丈を超えるササヤブで覆われていたところで、食害によって矮性化したり、樹木も枯死して倒れている様子などを観察。2年前に設置した苗置き場柵内のササが伸びて、柵外との違いを実感して、驚いていた。

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         シカ食害によって衰退したササや枯死した樹木、糞などの観察を行った。

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        空間の多いササ枯れ地にミズナラ、トチ、ブナの植樹を行い、ネット囲いを行った。

2018年4月の活動

4月29日 樹木等被害調査(白髪山にて)
 例年実施している白髪山での樹皮食い調査。場所は、①登山口近くのヒノキ・ウラジロモミ樹林、②中腹の登山道際樹林、③山頂周辺樹林の3地点での、新しく樹皮食いされた樹木の本数を数えるという、単純な方法である2009年に始めて10年目。2010年前後は、毎年700本前後の被害。それが、2011年から白髪山での捕獲が始まったことにより、2013年以降は70本程度の被害に大幅に減少し、今年は①地点で22本にとどまった。ササ原も葉食いで春先は茶色・獣道多数という状況であった。それが、捕獲の効果(シカの減少)によって、樹木被害と同様に2013年を画期に、ササ原は回復に向かい、今では春先でも中上部は緑を保っている。
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①地点の被害状況 ウラジロモミの新たな樹皮食いが見られる。周辺の樹木の多くも過去に樹皮食いされ、枯死している。

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①地点に隣接しているササ原は、葉が多く食べられている。ただし、夏には新芽が伸びて、新たな葉が展開して回復する。





4月25日 モニタリング調査(さおりが原にて)
 2008年に設置したさおりが原のマネキグサ等の防鹿柵内外の「永久方形区」での植生の変化の調査(高知大グループ)の様子です。写真は、柵内のマネキグサが芽生え、これから茎が伸びて、夏に花を咲かせる。
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20180425monitarinngu2.jpg 柵外の様子。1昨年に柵を設置したので、植生が少し展開。





4月14日 総会・定例会&「ミニ講演会」

 総会・定例会に引き続き、ミニ講演会「四国(三嶺・剣山地)のツキノワグマ」を開催しました。
講師は、山田孝樹(四国自然史科学研究センター)さん。
シカは増えすぎて、自然林等に多大な被害を与えてきたが、剣山地のツキノワグマは地域個体群としては、
全国的に見てもっとも絶滅に瀕する種。50頭以下と、数が少ないこともあって、遺伝的多様性に劣る。
捕獲して、GPSをつけ、追跡調査、行動圏はかなり広い等、スライド・動画、によってわかりやすく解説いただいた。
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続きを読む

2018年3月活動

3月2日 写真パネル展 「物部川に感謝する・フォーラム」会場にて

 高知工科大学講堂ロビーにて、写真パネル展を実施しました。

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2018年2月の活動

2月2日 「寺田寅彦記念賞」受賞(発表)

みんなの会設立10周年記念冊子「シカ食害で痛む 三嶺の森ー再生への途と課題」が高知県文教協会の上記賞を受賞いたしました。翌日、高知新聞に掲載された記事です。

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2月3日 「香美市狩猟ホーラム」会場にて写真パネル展を開催

香美市立保健福祉センター香北にて、香美市主催の狩猟ホーラム会場、1階ロビーにて写真パネル約60点を展示しました。
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2月24日 「寺田寅彦記念賞」受賞式・祝賀会
 

10周年記念冊子の編集委員及び役員、計7名が出席しました。選考委員から受賞理由(評価内容)の説明があり、各受賞者のスピーチがありました。出席者は約60名でした。

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2月26日 定例会を開催しました
以下の議題のもとに定例会を実施しました。
    (なお、総会・定例会を4月14日(土)に開催することになりました。)
議題
2018年度行事の枠組み
1.森林保全活動について
 (1)春季行事 みやびの丘にて、樹木等植生再生防鹿柵設置活動
(2)秋季行事 ? 
 (3)役割を終えた稜線部防鹿柵の撤収、& 破損個所のメンテについて
2.「公開報告会」・(「シンポ」)について
3.写真展 (2017年度10回実施) 愛媛県等と共催で実施の検討
4.環境教育 エコクラブ・小学校等6,7回
    (高知国際中学校から、生徒インタビューの打診:4月下旬野市にて)
5.「冊子」について 「寺田賞」& 大栃小・中を始め流域の学校に「冊子」を配布したい100~200部
6.総会について  記念講演or 勉強会?
7.その他 「物部川フォーラム」・写真展等

1月の活動

「香美市狩猟フォーラム」のお知らせ

2月3日(土)10時~ 
香美市立保健福祉センター香北(アンパンマンミュージアム隣)にて開催されます。
みんなの会は1階ロビーにて写真パネル展を開催します。
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「オオカミフォーラム」と「みんなの会シンポジウム」について

例年、1月は「シンポジウム」とそれに関連して、「写真パネル展」を開催してきました。「資料集」づくりもあって、結構忙しかったのですが、本年度は12月にシンポを実施し、さらに山は雪に閉ざされていることもあって、このところ、三嶺関係の活動はありません。
 (そんな中で、過去10年余間の活動を振り返り、とりあえず、会の活動関連の新聞記事をまとめて、PDFで掲載しました。)
ところで、みんなの会のシンポは昨年の12月に開催しましたが、10月には「オオカミフォーラム」も高知で開催されました。この2つのイベントについて、私見(依光)もまじえて以下に触れておきたいと思います。

 みんなの会のシンポ(11回目)は、12月2日に約100名の参加のもとに実施しました。みんなの会は発足後、毎年冬季にシンポ(6月に「公開報告会」)を開催してきました。
 内容的には、当初はシカ食害の深刻さを訴え、そのことがどんな問題を引き起こしているのか、植生や生態系の再生と、土壌侵食被害などを止め、自然を再生するにはどうすればよいのか、その時々の現状認識と「みんなの会・保全再生活動」及び管理捕獲を含めた行政等との連携協働による総合対策の在り方を議論してきました。 
 そして、近年は頭数調整の在り方にも踏み込み、猟師が減少する中で、シカの適正生息密度に導くための新たな仕組みもシンポや定例会の中で議論し、三嶺の森の再生を目指す活動につなげようとしている。ぼろぼろになった貴重な原生的自然を元の姿に戻すにはまだなお持続的な活動が必要であり、かなりの長期間を要する。が、「10周年記念誌」にまとめたように、一歩一歩前進していることは間違いない。自然の再生力を引き出すための活動が、地域ぐるみ(みんな)で行われていることに意義があろう。今回のシンポでは、ゲスト講演者(濵口伸一郎氏)が、「全国に例をみない仕組み」で活動していることを高く評価してくださった。自然保護活動者だけでなく、物部川源流の危機ととらえて、流域の市民住民・行政ぐるみで取り組みに参加してくださったり、支えてくださったりしているのも、再生への持続力となっている。
 一方、オオカミフォーラムは、10月25日に高知市で開催された。
 みんなの会シンポの際に、これまでオオカミに関する質問や意見もたびたび出された。そのこともあって、私見を少しまとめておきたい。
(1)高知市で開催された「日米オオカミふぉーらむ2017」当日は、所用があって私は参加できなかったが、主催者(日本オオカミ協会会長)の丸山さんは大学の後輩であり、何度か来高されて、話と本(丸山他著『オオカミを放つ』、『オオカミが日本を救う!:生態系での役割と復活の必要性』)で大体のことは解っていた。その際フォーラムへの協力方の依頼があった。昨年は、徳島で開催され、同時に高知でも共催してもらえないかとのことであったが、みんなの会定例会に諮ったところ、反対意見が多く、会としては協力できない旨を伝えた。単独主催で開催された今年の「フォーラム」には高知のマスコミがみな後援していたので、新聞・テレビがどう報じるか注目していたのだが、結局、報道は皆無であった。それでも、協会は今年全国8か所でフォーラムを実施し、オオカミ復活に向けて普及啓発に邁進している。
 簡単にいえば、アメリカのイエローストーン国立公園でのシカ(エルク)の激増によって生態系のバランスが崩れる中、オオカミを再導入し、バランスの改善に成功したという事例を元に、日本でも全国的課題となっているシカ対策として、「本来の生態系」・捕食者の再導入によって解決を図ろうという提起である。
 個人的には、オオカミ再導入の検討は、山村住民と猟師が激減する長期的視点からは選択肢の一つとして「あり」だと思う。ただし、諸条件が整えばとの大前提が付く。イエローストーンは高知県と徳島県の森林面積を合わせたくらいの広大な国立公園であり草原地帯も少なくない。人口密度も比較できないくらい低い。ヒトとの軋轢はオオカミが増加し保護区外に分布拡大した時に家畜が襲われるという形で起きている(ただし、保障制度が設けられている)。
 日本において地方自治体レベルで再導入が検討されたことがあるが、諸環境・条件が整はないと無理だということは、過去の議論と地域での取り組みから明らかであろう。
 2010年には、当時の大分県豊後大野市長が、協会の感化を受けてオオカミ再導入と研究センターの開設の構想を表明し、追随する自治体も各地で出てきた。が、結局、議会の反対等、地域の合意形成が進まず、やがて自治体レベルでは一過性ブームに終わっている。
 そんな中、オオカミ協会は近年、各地に支部をつくり、今年8回実施したようにフォーラム等で啓発を図り、アンケート調査を実施し、オオカミ再導入への賛成気運を市民レベルで高め、政治家や環境省(外来種導入に慎重)を動かそうという戦略をとっている。
 第一段階の市民の受け入れ意識改善段階にあるが、さらにいえば、導入するとすれば「遺伝的・生態的検証」やオオカミの保護管理、被害発生時の保障の仕組み、その他の法整備が必要となろう。
(2)「みんなの会」活動は、自然が壊れ行く待ったなしの状況の中、貴重な自然の保全・再生という今直面する課題対応型の地域活動であり、野生動物管理のあり様にかかわる「オオカミフォーラム」とは、次元が異なることはいうまでもない。今起きていることに対して、オオカミ再導入の条件がそろってからでは遅すぎ、待っていられない。当面の課題に力を入れているため、そこまで手が回らないことと、猟師の減少の中で、それを補う管理捕獲のための持続的な手法が安価で効率的な囲い罠の仕組み改善によって、可能になりつつあり、三嶺ではヒトの手による管理で対応できるかもしれない段階にあるからである。
(3)オオカミ再導入の最初の本格的な議論は、オオカミ協会とは関係なく知床で行われている。知床半島が世界自然遺産に登録(2005年)の際、増えすぎているシカの管理・生態系管理をどうするか、ということがユネスコの現地審査から検討課題として提起されたことを受けてのものだ。日米多数の研究者が参加して、シンポジウムと本『世界自然遺産 知床とイエローストーン― 野生をめぐる二つの国立公園物語』(知床財団)に詳しくまとめられている。内容は省略するが、人間による自然の管理か、自然のなすがままの調整に任せるか、イエローストーン国立公園にあっても両様の変遷があって、1995年頃のオオカミ再導入以降、複雑な課題があるものの基本的には後者に落ち着いている。知床のオオカミ再導入の議論では、オオカミが少し増えると面積的に少ない国立公園内にとどまることなく人口・家畜の多い周辺部に分布拡大することによる問題の解決の見通しが立たない、合意形成が困難などの理由によって、当面は導入には無理との結論に達している。
 結局、知床は2010年の試験捕獲から、翌年、本格的な「管理捕獲」に乗り出し、3,4年で大幅に生息数を減らすことに成功している。人間による管理、冬の越冬地が限られた低地にあることから「管理捕獲」が比較的容易なのである。私が2010年に訪ねた時にはいたるところでシカを目撃(知床センター~知床一湖:約100頭目撃)できたが、2015年には7頭の目撃にとどまり、植生も回復過程にあった。 

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