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1月の活動

「香美市狩猟フォーラム」のお知らせ

2月3日(土)10時~ 
香美市立保健福祉センター香北(アンパンマンミュージアム隣)にて開催されます。
みんなの会は1階ロビーにて写真パネル展を開催します。
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「オオカミフォーラム」と「みんなの会シンポジウム」について

例年、1月は「シンポジウム」とそれに関連して、「写真パネル展」を開催してきました。「資料集」づくりもあって、結構忙しかったのですが、本年度は12月にシンポを実施し、さらに山は雪に閉ざされていることもあって、このところ、三嶺関係の活動はありません。
 (そんな中で、過去10年余間の活動を振り返り、とりあえず、会の活動関連の新聞記事をまとめて、PDFで掲載しました。)
ところで、みんなの会のシンポは昨年の12月に開催しましたが、10月には「オオカミフォーラム」も高知で開催されました。この2つのイベントについて、私見(依光)もまじえて以下に触れておきたいと思います。

 みんなの会のシンポ(11回目)は、12月2日に約100名の参加のもとに実施しました。みんなの会は発足後、毎年冬季にシンポ(6月に「公開報告会」)を開催してきました。
 内容的には、当初はシカ食害の深刻さを訴え、そのことがどんな問題を引き起こしているのか、植生や生態系の再生と、土壌侵食被害などを止め、自然を再生するにはどうすればよいのか、その時々の現状認識と「みんなの会・保全再生活動」及び管理捕獲を含めた行政等との連携協働による総合対策の在り方を議論してきました。 
 そして、近年は頭数調整の在り方にも踏み込み、猟師が減少する中で、シカの適正生息密度に導くための新たな仕組みもシンポや定例会の中で議論し、三嶺の森の再生を目指す活動につなげようとしている。ぼろぼろになった貴重な原生的自然を元の姿に戻すにはまだなお持続的な活動が必要であり、かなりの長期間を要する。が、「10周年記念誌」にまとめたように、一歩一歩前進していることは間違いない。自然の再生力を引き出すための活動が、地域ぐるみ(みんな)で行われていることに意義があろう。今回のシンポでは、ゲスト講演者(濵口伸一郎氏)が、「全国に例をみない仕組み」で活動していることを高く評価してくださった。自然保護活動者だけでなく、物部川源流の危機ととらえて、流域の市民住民・行政ぐるみで取り組みに参加してくださったり、支えてくださったりしているのも、再生への持続力となっている。
 一方、オオカミフォーラムは、10月25日に高知市で開催された。
 みんなの会シンポの際に、これまでオオカミに関する質問や意見もたびたび出された。そのこともあって、私見を少しまとめておきたい。
(1)高知市で開催された「日米オオカミふぉーらむ2017」当日は、所用があって私は参加できなかったが、主催者(日本オオカミ協会会長)の丸山さんは大学の後輩であり、何度か来高されて、話と本(丸山他著『オオカミを放つ』、『オオカミが日本を救う!:生態系での役割と復活の必要性』)で大体のことは解っていた。その際フォーラムへの協力方の依頼があった。昨年は、徳島で開催され、同時に高知でも共催してもらえないかとのことであったが、みんなの会定例会に諮ったところ、反対意見が多く、会としては協力できない旨を伝えた。単独主催で開催された今年の「フォーラム」には高知のマスコミがみな後援していたので、新聞・テレビがどう報じるか注目していたのだが、結局、報道は皆無であった。それでも、協会は今年全国8か所でフォーラムを実施し、オオカミ復活に向けて普及啓発に邁進している。
 簡単にいえば、アメリカのイエローストーン国立公園でのシカ(エルク)の激増によって生態系のバランスが崩れる中、オオカミを再導入し、バランスの改善に成功したという事例を元に、日本でも全国的課題となっているシカ対策として、「本来の生態系」・捕食者の再導入によって解決を図ろうという提起である。
 個人的には、オオカミ再導入の検討は、山村住民と猟師が激減する長期的視点からは選択肢の一つとして「あり」だと思う。ただし、諸条件が整えばとの大前提が付く。イエローストーンは高知県と徳島県の森林面積を合わせたくらいの広大な国立公園であり草原地帯も少なくない。人口密度も比較できないくらい低い。ヒトとの軋轢はオオカミが増加し保護区外に分布拡大した時に家畜が襲われるという形で起きている(ただし、保障制度が設けられている)。
 日本において地方自治体レベルで再導入が検討されたことがあるが、諸環境・条件が整はないと無理だということは、過去の議論と地域での取り組みから明らかであろう。
 2010年には、当時の大分県豊後大野市長が、協会の感化を受けてオオカミ再導入と研究センターの開設の構想を表明し、追随する自治体も各地で出てきた。が、結局、議会の反対等、地域の合意形成が進まず、やがて自治体レベルでは一過性ブームに終わっている。
 そんな中、オオカミ協会は近年、各地に支部をつくり、今年8回実施したようにフォーラム等で啓発を図り、アンケート調査を実施し、オオカミ再導入への賛成気運を市民レベルで高め、政治家や環境省(外来種導入に慎重)を動かそうという戦略をとっている。
 第一段階の市民の受け入れ意識改善段階にあるが、さらにいえば、導入するとすれば「遺伝的・生態的検証」やオオカミの保護管理、被害発生時の保障の仕組み、その他の法整備が必要となろう。
(2)「みんなの会」活動は、自然が壊れ行く待ったなしの状況の中、貴重な自然の保全・再生という今直面する課題対応型の地域活動であり、野生動物管理のあり様にかかわる「オオカミフォーラム」とは、次元が異なることはいうまでもない。今起きていることに対して、オオカミ再導入の条件がそろってからでは遅すぎ、待っていられない。当面の課題に力を入れているため、そこまで手が回らないことと、猟師の減少の中で、それを補う管理捕獲のための持続的な手法が安価で効率的な囲い罠の仕組み改善によって、可能になりつつあり、三嶺ではヒトの手による管理で対応できるかもしれない段階にあるからである。
(3)オオカミ再導入の最初の本格的な議論は、オオカミ協会とは関係なく知床で行われている。知床半島が世界自然遺産に登録(2005年)の際、増えすぎているシカの管理・生態系管理をどうするか、ということがユネスコの現地審査から検討課題として提起されたことを受けてのものだ。日米多数の研究者が参加して、シンポジウムと本『世界自然遺産 知床とイエローストーン― 野生をめぐる二つの国立公園物語』(知床財団)に詳しくまとめられている。内容は省略するが、人間による自然の管理か、自然のなすがままの調整に任せるか、イエローストーン国立公園にあっても両様の変遷があって、1995年頃のオオカミ再導入以降、複雑な課題があるものの基本的には後者に落ち着いている。知床のオオカミ再導入の議論では、オオカミが少し増えると面積的に少ない国立公園内にとどまることなく人口・家畜の多い周辺部に分布拡大することによる問題の解決の見通しが立たない、合意形成が困難などの理由によって、当面は導入には無理との結論に達している。
 結局、知床は2010年の試験捕獲から、翌年、本格的な「管理捕獲」に乗り出し、3,4年で大幅に生息数を減らすことに成功している。人間による管理、冬の越冬地が限られた低地にあることから「管理捕獲」が比較的容易なのである。私が2010年に訪ねた時にはいたるところでシカを目撃(知床センター~知床一湖:約100頭目撃)できたが、2015年には7頭の目撃にとどまり、植生も回復過程にあった。 

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