丸石を訪ねる

10月16日三嶺山域と連なる徳島県の丸石周辺の状況を見に行って来ました。
高知からは、国道195を物部川沿いにさかのぼり、県境の四つ足峠を越え、剣山スーパー林道をしばらく行くと丸石登山口に着く。ここから稜線部までは30分程度の道のりで、体力のない私(依光)でも容易に稜線まで上れる。この日は「管理捕獲」実施日で、猟師さんの話を聞くことができた。
登山中は、高知県側でも見慣れた風景(谷の荒廃、樹木被害、ササの被害など)が続く。
稜線に出ると眼前に美しい景色が開ける。

maruisi0.jpg
右上の高い山がジロウギュウ、左奥に剣山が間近に望める。稜線部のササ原、紅葉した樹林、バランスのとれた山容、外観はとても美しい。
だが、放置していたら、今進んでいる傷が深まり、とんでもないことになってしまうだろう。それを食い止められるのは管理捕獲(あまりに増えすぎたシカを適正頭数に減らすための捕獲)だ。ここは、国指定の鳥獣保護区(剣山域から三嶺山域にかけて約1万ha)の中。管轄の環境省が捕獲費を出して、県の猟友会を通じて地元の旧木頭村の猟友会が実施している。上の写真の右下のスーパー林道から稜線部にかけてのエリアで捕獲が行われている。

maruisi1.jpg
登山口からしばらく比較的若い樹林を進む。下層のササはほとんど枯れ、樹木の被害も深刻。とくに目についたのは、リョウブの枯死などとともに紅葉が美しいカエデ類の被害で非常に多いことである。そんななかで、ダケカンバの被害が見られないのは不幸中の幸い。

maruisi2.jpg
シカの密度の高い地域の特徴は、稜線部ササ原と樹林境のササが枯死することである。高知県側では、中東山やカヤハゲで大規模に進み、三嶺から西熊山周辺でもこのような状況が見られる。シカは昼間は樹林内にいて、夕方出てくる傾向があり、樹林にちかいほど被害が進みがちだ。

maruisi4.jpg
捕獲に当たる猟師さんだ。手に持つのは、この日仕留めたオスジカの角。話を伺うと、この方は62歳、最も若手だそうだ。最高が85歳、平均年齢は70歳を超えているとか。管理捕獲は、射手が朝6時に稜線部に上がり、適当な間隔をあけて配置につくと、勢子が林道から上に向かって猟犬を放つ。追われたシカは樹林から上の稜線部に逃げる。そこで待ち構えていた射手が見通しの良いササ原に出てきたところで撃つというやり方だ。4月から始まり、日曜ごとに行うそうで、これまでに80数頭の捕獲実績を上げている。目標の100頭に達するのも時間の問題のようだ。これは、樹林の傾斜が緩く、ササ原に隣接しているためシカが居着き安く狩猟が容易なためだ。なお、1回あたり14,5人の出猟があるそうだ。
別途、剣山の箱罠でも10頭捕獲しているそうだから、効率が高い。
一方、三嶺山系では、山が急峻で深いこともあって、丸石のように効率よく捕獲できるところは見当たらない。

maruisi4-1.jpg
剣山も崩れがめだつ。手前の稜線部のウラジロモミも被害がひどい。

maruisi5.jpg
丸石から名頃方面に少し降りた樹林内はササは比較的元気だが、ここではカエデに加えてダケカンバが被害をうけている。

maruisi6.jpg
名頃方面のササ原は衰退がかなり進んでいるのと、その下にダケカンバ群落が見えており、被害が心配される。
ササ原では元のかん(茎)は枯れて地際からかろうじて短い葉を出して命をつないでいる。いわば生死をさまようササ原なのだ。
このエリアでの捕獲が再生の鍵を握る。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三嶺みんなの会

Author:三嶺みんなの会
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR